読む時間:およそ3分
2021年8月18日(水)に、落語をテーマにした名作マンガ「昭和元禄落語心中」はフランス語版の第1巻が出版されます。
ぜひチェックしてください。出版会社はLe Lézard Noirです。
その出版を先立ちまして、今回の「落語散策」では、「落語の用語」について話をしたいと思います。
出囃子
落語家の登場「テーマソング」です。袖から下座(「げざ」あるいは「しもざ」)が演奏してくださいます。
落語家が高座から降りると、出囃子はありません。
見習い、前座、二つ目、真打
東京の(厳しい)修行システムです(大阪にはありません)。
「見習い」は文字通り、「見て習う」ということで、1年間で起こすアクションは師匠の「鞄持ち」だけです。
「前座」は修行の一番きつい時期(3−4年)です。寄席の楽屋は毎日忙しい、自分の師匠や他の師匠方のお世話し、言われた通り演目を覚える。この時期は一文無し。
「二つ目」になると、プロとして認められることになります。楽屋の仕事はもうしなくてよし。落語だけに集中して、自分らしい落語をしたり、新作を考えたりすることがオッケー。
「真打」。元々「芯打」と書いていたようです。江戸時代には寄席では、ロウソクだったので、落語会で最後に出る演者(トリ)がロウソクの「芯」を「打つ」ということで。
高座
落語家が上がるステージのことですが、「落語会」という意味もある。
両
江戸時代のお金(ゴールド)です。1両は今の8万円くらいに当たる。
先生
「先生」という言葉は日本語を勉強するフランス人が皆知っているけど、落語家のトップは「師匠」と呼ぶことを知らない人が多い。よく間違えることがある。
心中
「心中」は別に落語の用語ではないけど、「昭和元禄落語心中」というタイトルだから、「品川心中」という廓話を思い出すね。
羽織
セレモニー用の服です。二つ目(プロ)になってから羽織ることができます。
着物だけ(羽織を羽織っていない)落語家は皆、前座です。
扇子と手ぬぐい
落語家にはかけがえのない小道具です。見立てに使う(刀/扇子、キセル/扇子、本/手ぬぐい、レター/手ぬぐい)。
1件のフィードバック
いつも旬なお話ありがとうございます。江戸落語の祖、鹿野武佐衛門の小咄集『鹿の巻筆』。彼を題材とした落語を三遊亭圓窓師匠が創作してます。私もちょっとだけ稽古しましたが‥‥。