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引用「こころをそだてる はじめての落語 101」(講談社)より。
今になって「日本円」は周知されていますが、江戸時代には主に使われていたお金は、金貨と銅貨です。金貨の単位は両(りょう)、分(ぶ)、朱(しゅ)で、銅貨の単位は貴(かん)と文(もん)です。
本日のレートは以下となります。
一両=約8万円(凡そ800€)
一分=約2万円(凡そ200€)
一朱=約5千円(凡そ50€)
一文=20〜30円(凡そ0.15〜0.25€)
落語では江戸の庶民が大勢に登場するため、よく出てくるお金は「文」です。
「時そば」(上方では「時うどん」)の一杯は16文、つまり320円~480円(凡そ3€)。ちなみに、フランスでもジワジワと浸透する和食ブームですが、「ヌードル」も流行。
一杯は凡そ80文です。
フランスで「時うどん」を演じる時は、「文」と言ったらお客様がポカーンとなりますので、最近「16円」ですというふうにアレンジします。現実とえらい違いますが、うどん屋をたった1円でごまかすお客様はそんなに悪いやつじゃないという印象で、やさしい雰囲気が残る。
古典落語のほとんどは江戸時代に作られましたが、明治時代の名作もありますので、今の単位「円」が登場する噺もあります。たとえば、「つぼ算」。数円のごまかしの噺ですが、それも大したことではないと思われるかもしれんが、当時の1円=今の約1万円だと考えると、痛いな。
同じ「つぼ算」では、他に勉強になる単位があって、それは「一荷」(いっか)です。てんびん棒の両はしに水おけをつるしてひとりで運ぶ量をいい、約72リットルはいるつぼになる。
「まんじゅう怖い」に出てくる「一尺」は、長さと太さをあらわす単位。
一尺=十寸=約30センチ。
日本語の疑問です。
現在、「尺」はラジオやTVだけで、つまり業界語として使われていて、「寸」は複合語(寸前に/寸歩など)しかで見かけない気がします。
如何でしょうか?
To be continued.