落語散策

落語の構成
〜マクラ、本題、オチ〜

(読む時間:およそ3分)

寄席の持ち時間は出演者によって10分〜30分ですが、どの尺でもマクラ/本題/オチという構成になります。
勝手なイメージかもしれませんが、この3部分形式は日本の舞楽から出た「序破急」の概念からきている気がします。「序破急」は芸道論の言葉で、伝統的に使用される構成ですからね。

マクラ
雑談の時間です。時事ネタを話せば、これから演る演目に出てくる古い言葉を説明できる時間にもなります。また、客席が聞きたがる噺も判断できる時間(が、他の演者が演じた演目と被らないように考える時間)。

本題
演者が羽織を脱ぐ。この動きをみた客席が「噺がはじまる」とわかります。実は着物と羽織には大事な役がありますが、それは次回の「散策」で話しますので、楽しみにしてください。
演者が登場人物のすべてを演じます。その意味で「落語」を西洋でいう「ストーリー・テリング」と違う気がします。落語は「芝居化されたストリー・テリング」といえるのでは?もちろん、豪華なセットや派手なメイクの芝居とまた違いますが、登場人物を演じるという意味での「芝居化」。

西洋の「ストリー・テリング」に近いのはどっちかというと、講談ではないでしょうか?例えば、
講談/ナレーション:
時は2月。今年の冬はそんなに寒くない。熊五郎という男が太陽の光に浴びて、友人の八っつあんのところに向かっています。
落語/登場人物を演じる:
いやー、2月なのに今年は全然寒くないねー太陽に浴びてポカポカ。気持ちいいなーでも、八っつあん待ってるから、早く行こう!
八っつあん!きたよ!
おー、誰かと思ったら熊か?さー、上がってきて

それから、登場人物を区別するには、演者が上下を切るという。つまり、右に見たり、左に見たり喋る。ここで、落語をより楽しく聞く(見る)ために役に立つ情報。身分が高い人物が右に向かって喋ります。侍(右)と女中さん(左)、お父さん(右)と倅(左)、人間(右)と動物(左)、お客様(右)と店員さん(左)…
お客様は必ず身分が高いですね。だって、「お客様は神様だ」だもん。

この「上下を切る」を確認するには、上方落語の演目「手水廻し」をご覧ください(2017年inチェンマイ)。フランス語バージョンも(On s’fait tourner le chôzu / 2016年@ジャパン・トゥール・フェスイティバル)。

オチ
「落ちる」+「言葉」=落語。
落語さえを表現する漢字「落」ですが、やはり大事ですね。本題はオチを含めますが、マクラとオチをリンクさせるのが得意な演者さんもいます。
そのとき、客席がドカンと受けますね。だって、マクラはアドリブに聞こえるので、まさか、オチと繋がったというのは驚きますね。
そんな得意なのは、古典落語を現代的価値観・感性で表し直そうとした7代目立川談志(1936年-2011年)でしたね。

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落語の構成〜マクラ、本題、オチ〜(読む時間:およそ3分)

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