Cyril COPPINI

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落語散策

「落語の動物たち」(ネコ編)

落語とネコといえば、浅草演芸ホールの看板ネコ「ジロリ」を思い出します。
みなさん、あのネコをご存知ですか?「ジロリの落語入門」という本を出していますよ。
演者同士でもお客様同士でも人気者です。

ネコが登場する落語の演目が多いです。また、「ネコの災難」というネコが登場しないのにネコが主役の演目もあります。一番好きなのは「猫の皿」です。

江戸の道具屋が田舎に掘り出し物を探しに出かけました。江戸へ戻る途中の茶店で休みをとります。縁台の下でネコが飯を食べているのに気づいて、よく見ると、ネコの皿が高麗の梅鉢茶椀で300両(1両は現在の8万円前後)もします。道具屋は茶店の爺さんは知らずにネコの皿にしていると思い、ネコを3両で買い上げます。さらにネコに飯を食わせるには食べなれた皿がいいと言い、茶椀をもらおうとします。しかし、爺さんは300両もする高価な茶椀だと言い、手放せないと言います。計画が失敗した道具屋は「なんでそんな茶椀でネコに飯食わせたりしますか?」と聞き、茶店の爺さんは「その茶椀でネコに餌をやると、ときどきネコが3両で売れますので、、、」

このネタは「他人を騙してやろう」という万国共通のテーマですので、海外にも、もちろんありますが、海外では短いジョークとして聞くことがあります。
それでは、フランス語バージョンからの直訳をどうぞ。

とあるアンティークショップのオーナーが家具やオブジェを探して、フランスの田舎を旅しています。農家にたどり着いたオーナーがミルクを飲む子猫に気づく。ネコがミルクを飲むカップはなんとローマ時代のカップだ!
これはパリの蚤の市で高く売れるぞ〜とウキウキするムッシュが農家の人に相談をすることにします。
ムッシュ:「妻はネコが欲しくてね、、、よかったら、このネコを売ってください」
農家の人:「いいだろう。200ユーロでどうですか?」
ムッシュ:「お願いします!」
そして、100ユーロの2枚の札を出しながら、何気なくいう。
「ネコがこのカップでミルクを飲むのに慣れているでしょう。カップも持っていきますね」
すると、農家の人は
「いや。カップは持っていけないね。そのカップのおかげで年明けからすでにネコ
15匹を売れた」

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